8月が終わったと思ったら、もう9月の半ばに差し掛かり、じめっとした残暑が残る今日のこの頃ですが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
7月、8月は学生さんのニキビ相談が多かった印象がありますが、通年をみても徐々に大人ニキビの相談や「ニキビ痕」の相談が増えております。
活動性ニキビは、思春期~20代前半のニキビと、それ以降のニキビでは成因も治療も異なるのですが、今回はその話は置いておきます。
本日のお題は、「お肌の再生には、エコツーとダーマペン4のどっちがええの?」でございます。
「エコツー」についてちょっとだけ説明いたします。
まず、「エコツー」は、「炭酸ガスフラクショナルレーザー」という機材のカテゴリーに分類されます。
「フラクショナル」という言葉は、直訳すると「小部分の」という意味になります。
つまり「炭酸ガスレーザーのビームを、小さな部分部分に照射する」ということを表しています。
図で見ると、これ。
レーザーのビームが真皮層まで到達して、物理的に組織を破壊され、熱刺激とともに、コラーゲン再生と皮膚のタイトニングが起こります。
表皮も蒸散して削られるので、でこぼことしたニキビ痕には最適な治療と言えます。
またシワや軽度のたるみにも効果がありますので、アンチエイジング目的にも使用できます。
難点としては、熱エネルギーによる炎症後色素沈着によって、若干くすんだ肌になるリスクがあることと、ダウンタイムが4~7日間あることです。
当院では、ダウンタイムを短く、炎症後色素沈着のリスクを低減するための工夫として、
①術後の冷却をしっかりと行い、組織修復をうながすLEDライトを当てる
⓶術後数日は、ステロイド軟膏をしっかり塗る
③トラネキサム酸、ビタミンC、L-システインの内服を継続する。
④成長因子などの組織修復因子をオプションで加える
などを取り入れております。
特に、④の成長因子については、「アムニオジェニックス」、「エクソソーム」、「MPF(ベネブ社)」の3つをご予算に合わせてご用意しております。
次に、ダーマペン4について。
最近は、インスタグラムやYouTubeでの露出度の多さもあって、大人気の施術です。
原理としては、表皮から真皮にかけて微小な孔をあけて組織をいったん破壊したのち、その修復する力を利用して効果を発揮させます。
先端から出るハリの長さを調整することで、治療の強さを変えることができるのが特徴ですが、その分施術者によって効果にばらつきが出ることがあります。
メリットは、熱エネルギーを使わないので、フラクショナルレーザーで起こるような炎症後色素沈着によるくすみなどは、まず発生しないことです。
ダウンタイムもほとんどの方が1日、長くても3日ぐらいですから、ストレスが軽くて済みます。
またダーマペンで開けられた孔を通して、様々な薬剤(成長因子、PCLなど)を真皮層まで運び、コラーゲン産生をより促すことができます。
ただし、デメリットもあります。
若い年齢層の方や、肌の病状がそれほど重くない方は、それほどアグレッシブに施術しなくても、効果を実感できるとは思いますが、年齢が上の方や、肌の病状が重い(強いニキビ痕など)方などは、アグレッシブな施術+成長因子をつかわなければ、期待した効果が得られ場合があります。
それでは、「エコツー」と「ダーマペン」とどちらが良いのでしょうか?
最終的には、患者様のお肌の状況と、本人が望む効果や、ダウンタイムを許容できるか、などの複数因子を考慮しなければ比較できません。
ざっくりと言ってしまうのならば、
①見るからに表皮が厚く、でこぼこした肌の方は、エコツー。
⓶長いダウンタイムが許容できない方、成長因子などのオプションを選択できる余裕のある方は、ダーマペン。
ただし、どちらの施術も1回だけで効果は全く分かりません。
最低5回は必要です。
しっかり効果を実感したいなら、10回ぐらいは続けて頂くのがベストです。
施術との相性もありますので、ダーマペン4で効果を実感できなればエコツーを、エコツーで効果がない場合はダーマペン4をお勧めすることもあります。
綺麗な肌をつくるには、効果的な施術はもちろん、効果発現確率の高いコスメで日々のケアをすることも必要です。
ドクターズコスメとしては、「ゼオスキン」「エンビロン」に代表される「レチノール(ビタミンA)」を含有するものは、必須と言えましょう。
さらに余裕があれば、「ヒト幹細胞培養液エキス」を配合されたコスメを加えるとかなりの効果が期待できます。
世の中には、「オーガニック」などを謳ったコスメが氾濫しており、いわゆる「コスメ難民」を生み出している元凶になっているようにも見えます。
科学的に効果を実証されたドクターズコスメを1年間続けてみることは、無断な投資ではないと思います。
次回は、最近ユーザーがうなぎのぼりに増えている「ゼオスキンヘルス」について、基本的なことからご紹介しようかと思います。